練習を重ねるたびに、“みんな”でつくりあげる喜びを体感した子どもたち。
発表会の練習を通してみられた成長に嬉しくなる日々でした。
○子ども同士のかかわり
踊りの振り付け、大道具づくり、セリフの練習、立ち位置や移動の練習・・・
役ごとに分かれて話し合いや練習をする機会を多く設けました。
一人では思い浮かばない考えや動きも、仲間が集まれば「これはどう?」「いいね!」と形になってきました。
自分たちで決めた振り付けや動きを表現する喜びは大きく、すっかり役になりきる姿がありました。
そんな中で、劇を進めていくと一人の力では成り立たないことに気づきます。
みんなでセリフを繋げて、みんなで歌を歌って、みんなが動いて完成する一つの劇。
立ち位置を教えてあげたり、セリフが出てこない子にそっと声をかけたり、最後の子が立ち位置につくまで確認したり・・・日々の練習の中でみられた助け合いや思いやりの積み重ねが子ども同士の繋がりを深めました。やがて一人一人の努力だけではなく集団を意識できるようになっていきました。
自分の出番ではなくても、舞台で頑張っている友だちに向ける眼差しや元気いっぱいに歌う姿はとても素敵です。
○劇への想い
こちらは総合練習のビデオを鑑賞している様子です。気分はすっかりお客さん。
フィナーレが終わると自然と拍手が起こり「すごかったね。」と顔を見合わせていました。
そんなお客さんの立場になったら気づいた発見もありました。
「大きく動かないと、誰が話しているかわからなかった。」
「もっと大きい声をだしたらつたわるかな。」
「移動をもう少しはやくしたいな。」
と良かったところだけではなく、もっと頑張ったほうがよいこと・足りないところにも視野を向け、改善しようと声を上げる子どもたちに感心しました。
○みんなで活動する喜び
運動会と同様、毎朝当番が「練習で頑張ること」を発表しました。
練習当初は、「移動を頑張ります。」「大きな声でセリフを言いたいです。」
と個人の目標だったものが・・・
「みんなでこころをひとつに頑張りたいです。」「みんなで頑張って楽しい劇にしたいです。」
総合練習を終え自信がつくと、気づけば“みんな”を意識した目標に。
毎日の日課を通して、子どもたちの劇に対しての想いを知り感動しました。
保育者の知らないところで、劇の役になりきった鬼ごっこ「大江戸大泥棒ごっこ」が流行ったり、ジャングルジムのてっぺんで気持ちよさそうに友だちとセリフの練習をしていたり・・・
練習外でも、劇はすっかり子どもたちの一部となっていたようです。
そんなにじ組が大好きな「大江戸大泥棒」。
“みんな”で乗り越えた本番までの道のりは、子どもたちの成長に繋がった事と思います。